水中でオーロラを見る! 〜薩南、トカラでダイビング!〜

「薩摩硫黄島、鬼界カルデラの水中オーロラ」

昔からあるんだけど存在が当たり前すぎてその凄さに気付かない事、
って結構あると思うんですよね。
硫黄島の水中オーロラもまさにそんな存在だったのかもしれません。

初めて硫黄島を潜ったのは前世紀、1999年のこと。
噴煙上がる山、真っ黒な岩盤と赤茶色に染まる港を見て「なんじゃこりゃ!ジュラ紀か?(ジュラ紀知らないけど(笑))」って思ったのをよく覚えている。
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しかし、目の前にずっと広がっていたこの不思議な温泉の海に初めて潜ったのは、硫黄島初ダイブから13年も月日が流れた2012年の秋のことだった。
初めて島を訪れてから13年も、、、全く何をしていたのか、と言いたくなる(笑)

当日のブログを振り返って見ると懐かしい面々と「硫黄島温泉ダイブ」と銘打ってハルマ瀬の岸側で潜っているリポートを嬉々として掲載している。

「硫黄島温泉ダイブ」、、、
なんてダサいネーミングなんだ(笑)

この時の映像が残っていた。
0:10-1:00と2:08-3:00くらいまで、ぜひ見て欲しい。
(おヒマなら全部見て欲しい(笑))


凄い映像だ!
なぜこの凄さをもっとアピールしなかったのか?(笑)

そしてこの時撮影されたこの写真。
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撮影 2012年11月 西村真由美様 

2017年に発行したDiscovery Cruise Magazineのポイント紹介でこの写真を水中オーロラとして紹介。
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少しづつリクエストをもらうようになり、水中オーロラという言葉も定着していった。
「温泉ダイブ」のままだとこうはならなかっただろう(笑)

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撮影 2017年7月 中村裕一様
ダイバーが吐く泡によって海水と温泉が混じりそこに光が差す光景はまさに水中オーロラと呼ぶに相応しい景色だ。

さて、ではなぜこのような現象が硫黄島の海で起きるのだろう?
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硫黄島は7300年前に起きた爆発的カルデラ噴火によって形成された外輪山の一部だ。
海の中に巨大なカルデラがあって、その外輪山の山頂が海面から顔を出したのがこの辺りの島や瀬になっている。
世界有数の活発な火山活動が今尚続いていて、カルデラの真ん中あたりには巨大な溶岩ドームがいまだに成長を続けている。

世界中の火山学者が注目するこの世界最大級の水中カルデラと、さらにその中心部に形成された世界最大級の水中溶岩ドームは三島村鬼界カルデラジオパークに認定されている。

島や島の周囲の海底からは温泉がたくさん沸いていて、温泉の成分が海水と反応して色が変わるようだ。
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硫黄島東温泉(海中にも温泉が湧いている)

鉄分が多いと赤く、アルミが多いと乳白色になる。
外洋から来る青い海水と温泉成分が混ざり合うと、なんとも言えない不思議なグラデーションを見せてくれる。

写真家の関戸紀倫さんが2018年8月にクルーズに乗船して頂いた時に、美しい空撮写真を撮ってくれているのでぜひご覧いただきたい。

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空撮 2018年8月 関戸紀倫様

なんとも言えない美しいグラデーション。
水中オーロラはこの海域に現れるんだけども、
温泉水と海水がいい具合に混ざっているところを探すのが割と難しい。

ただ茶色く濁ってるだけ、は水中オーロラとは言えない。
大事なのは青と温泉のグラデーション。

2019シーズン、ついにこの光景だけを狙ってガイドできるようになった。

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撮影 2019年11月 國清健次様

今シーズンも12本のクルーズを企画している。
2020シーズンのスケジュール
クルーズ中、鬼界カルデラで潜るタイミングはほぼ毎回あると思う。
ぜひ、世界で唯一、ここでしか見ることのできないこの不思議な現象を紹介させて欲しい。

<水中写真家の皆様×水中オーロラ>
最後になりましたが、Magazineの写真を見た写真家の皆様からこの光景を撮影したい、というリクエストを頂きました。
そして昨年は4名の写真家の方にお越し頂きました。
今後、様々な場面でこの水中オーロラの作品が紹介されるかもしれません。
許可をいただきましたので少しだけ、ご来島順に紹介させていただきます。

まず7月に古見きゅうさんにお越し頂きました。
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この時の撮影が、この水中オーロラだけを狙って行った最初の撮影ダイブになりました。
撮影を終え、水中で二人でハイタッチした瞬間の達成感は最高でした。
4月にキャノンギャラリーで開催される写真展JAPAN’S SEAで公開予定とのことで、今から楽しみです。
そして今年の7月、またご一緒させて頂くことになりました!
またハイタッチしたいですね!

続いて10月のクルーズに越智隆治さんにお越し頂きました。
この時撮影された写真が銀座のLUMIXギャラリーで開催中のTAHI LANU MOANA ~青色の海~で展示されています。
残り期間はわずかですが、ぜひ見て頂きたいです。
紹介させて頂くのは展示されていない方の写真。
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撮影 2019年10月 越智隆治様

ちょうど白と茶色が混ざり合う場所をうまく見つけることができました。
そして今年、11月の枕崎ー奄美往復クルーズ、前半戦にご乗船頂くことになりました。
どんな景色に出会えるか、今年も楽しみです。

そして11月、ゆるカタコンビ、むらいさち さんと中村卓哉さんのお二人とフォトツアーを開催することができました。
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撮影 2019年11月 むらいさち 様

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撮影 2019年11月 中村卓哉様

時化の影響で探すのに中々時間がかかりましたが、上手いタイミングでホシカイワリの群れが登場してくれました。
2月に東京で開催されるダイビングフェスティバルの最終日、中村卓哉さんのスライドトークでも紹介して頂けるようです。
そして今年も、11月の枕崎ー奄美往復クルーズ後半戦で再び撮影クルーズを開催して頂くことになりました!
またじっくり写真撮りましょう。

ということで、水中オーロラ、今年もより素晴らしい瞬間をご案内できるよう頑張ります。
シーズン開幕が待ち遠しいですね。

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薩南&トカラDiscovery Cruise ガイド 木村尚之
https://tokara-dive.jp

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