「虎は背後から忍び寄る」



写真提供 Hal Kelly様
最後に選択したのは今まで潜ったことのないポイント。
流れも弱いし魚影反応も薄い。
しかし、船長の釣りの時の情報や天候状況を考えると、ラスト一発大物を狙えるのはここしかないように思えた。
「悪天候、そして流れないトカラ」
初日は雨。時に暴風雨の様相。
二日目は風が東から西に周りウネリと風波に苛まされる。
三日目は大時化で午後しか出航できず、、、
ここしか潜れないというポイントで我慢のダイビング。

平均本数3000本超えの猛者たちと、トカラらしい鮮やかな風景や魚群を時折挟みつつ、基本大物狙いのダイビングを愚直に続ける。

写真 Hal Kelly様

写真 Hal Kelly様

写真 H.Nakamura様
そして4日目。
少し、と言っても結構北西吹いていたけど、風も収まってきたので満を持して臥蛇島、小臥蛇島へ!
小臥蛇島をチェック。
、、、
全く流れてないね。
臥蛇島をチェック。
ま〜っっったく流れてないね〜
、、、
魚探に何も映らない、、、

ここで、決断。
メンバーの皆様と話してトカラ海域を諦めて北上、口永良部、鬼界カルデラエリアを目指すことに。
結果、この判断がまずまず当たりで長瀬でやっと流れを感じるダイビング、野崎では小型のオグロメジロや一人しか目撃していないけど、口永良部島初のタイガー。
硫黄島ハルマ瀬では大型のイソマグロ小隊も登場しやっと薩南、トカラエリアらしい海に。

写真提供 Hal Kelly様

写真提供 Hal Kelly様

写真 H.Nakamura様
そして迎えた最終日。
凪を期待していたが風の音で目がさめる、、、
5日間、最後まで風は吹き続けた。
みなさん早起き得意なお年頃、と言う事で6時にスタートして夜明けダイビング。
何か出ないか?いつもと違う時間帯でハルマ瀬を攻めるも不発。

写真提供 Hal Kelly様
2本目。湯瀬遠征は断念して手堅く竹島ジュラシックの外洋側で凄まじい魚影に巻かれつつの大物待ちもイソマグロのみ。

写真 H.Nakamura様
手は尽くした。
一歩も引かずに攻めた。
そして、ラストダイブを迎える、、、
最後に選択したのは今まで潜ったことのないポイント。
鬼界カルデラの中曽根だ。

トップ20mの広大な沈み瀬をドリフト、と言うかあまり流れてなくて遠泳(笑)
時折ものすごいスピードで泳ぎ去るクサヤモロの群れ。
何か出そうな雰囲気を感じつつ30分、35分、40分、、、
ダメか。
浮上だ。
逆転サヨナラのチャンスに空振り三振、、、そんな気分で浮上したら、、、
「タイガーいました!もう怖くて動けなかった〜」
なに!!
「でも写真は撮りました。」
まじすか!!
そう、それが冒頭の写真。
泡を追いながらついてきてた船長も魚探に現れた反応を見てサポートスタッフと
「これは絶対サメ!あの後ろの泡の人は見れてるんじゃないか!?」
って話していたらしい。
空振り三振で引き上げようと思ったらキャッチャー後逸してて逆転サヨナラ振り逃げ、と言ったところか。

みんなで溜飲を下げることは叶わなかったのは、正にガイドの不徳のいたすところ。
ちょっとしたタイミングでチャンスを活かしきれず残念だったけど、鬼界カルデラ初のタイガー登場。
この海域の可能性をまた広げることが出来たことに皆さん喜んでくれた。
本当にありがとうございます。

今週末からまたトカラへ。
次の冒険に向けてまた準備です。
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