「3月トカラクルーズの総評」

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長いトカラダイビングの歴史を紐解いても、3月にトカラクルーズを実施した、という例はおそらく無いのではないでしょうか?

不安定なこのシーズンですが、ガイド仲間と話すと決まってみんなこう言います。
「冬のトカラはすごいに違いない。」
「ハンマーとかきっとめっちゃ群れてるんやないかな。」

船長も言います。
「カジキとかめっちゃ見れますよ。釣りしたらサメばっか釣れるし、、、あ、カジキゆーてもバショウですよ。釣っても誰も喜ばないけど入れ食いです。ダイバーさんは見たいのかな?」

まるで3流映画の広告みたいな煽り文句ですが、こんな話を聞くとこの目で確かめたくなりますよね。
「だれもやってないことをやってみよう」がDiscovery Cruiseの合言葉。

と言う事で昨年3月、初めての3月クルーズを実施しました。
結果は予想通りのハンマーリバー。
さらにマダラトビエイやサメの群れ、ローニンも大型、タイガーらしき影も目撃と中々の出物でした。

よし、ならば今年は悪石島まで足を伸ばしてトカラ伝説に新たな歴史を刻もう!
と言うことで張り切って企画しました。

結果はブログでもお伝えした通り、5日間風が吹き続け悪石島、諏訪之瀬島はおろか、臥蛇島、小臥蛇島にもたどり着けず、中之島、口之島の風裏で辛抱のダイビング。
天候には全く恵まれない、まさに春の不安定期の洗礼を受ける形となりました。
トカラまで来てるのに臥蛇島に行けなかったのは我々にとって初めての出来事でちょっとショックでした。

しかし天候コンディションに反して、そして風裏の限定ポイントにもかかわらず、出物はかなりのものでした。

天候に恵まれずとも出物はすごい。
よかったのか、悪かったのかの判断は個々にまかせますが、春のトカラのポテンシャルを感じずにはいられない、そんな印象です。
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ただ一つ言えるのは、この結果をもって
「冬から春にかけてのトカラはなんでも出ます!
ハンマーリバー確実です!
狙いに行きましょう!」
なんて絶対に言えませんって事。

だって、まだ二回目なんですから。
今回はたまたますごかっただけかもしれません。

例えばハンマーの群れを見るなら冬の与那国や夏の神子元に行けば素晴らしい群れを堪能出来ますよね。
ニタリならマラパスクアがあるし、カジキならメキシコ、タイガーを見るならモルディブのクルーズ、ローニンやイソマグロ、マンタ、それぞれ有名なポイントは枚挙に遑がないです。
魅力的な大物と遭遇できる素晴らしいダイビングを楽しむことが出来るエリアはたくさんあります。

では、トカラ海域の魅力ってなんだろう、って考えると、中々難しいと言わざるを得ません。

トカラは、「この海域だけでこれら全ての可能性を秘めている」という事が言えるかもしれませんが、逆を言うとそれは、「何も出ない可能性も大いにある」ということです。

何かに会えます!と言うにはあまりにもダイビングの頻度が少ない、という海域です。

今のところ言えるのは、
深い海の底から何が出てくるのか?
この何か起きそうなゾクゾクする雰囲気こそトカラの醍醐味かもしれない。

何かが起きそうな雰囲気は凄いある海域、と考えるとその魅力は、文字通り底知れないかもですね。

春シリーズ第二弾は4月です。
次は何に会えるのか?
期待を膨らませて待つことにしましょう。

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さて、今回も宿泊は中之島海游倶楽部さんにお世話になりました。
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4連泊は久しぶりでしたが、いつもながら最高の料理と最高の雰囲気。
旅の楽しみの一つでもある「食」。
この宿は完全に満足させてくれます。
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釣ったお魚も
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このように手のこんだ料理となって登場します。

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今回はりさおのデザートも大好評でした。
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ダイビングの合間にトカラ馬に会いに行ったり、満点の星空を眺めたり、温泉に入ったり。
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旅の楽しみもしっかり満喫して帰って来ました。

当たりハズレ乱高下の今年の3月クルーズ、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
またトカラの海でともに潜りましょう!

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薩南&トカラDiscovery Cruise ガイド 木村尚之
https://tokara-dive.jp

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