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ROMANCE DAWN

「あの沼は底なし沼だから近づくことはならぬ。」

そう言われていた近所の沼に、駄菓子屋のくじで当たったゴム臭い水中眼鏡を持って潜った少3の夏が僕と水中世界との出会いだった。
あれから40年、こうして水中世界で過ごしてるんだから人生何がきっかけになるかわかんないものだ。

さて、子供の頃から木の杭に繋がれて育った象が大人になって大きくなっても小さな木の杭に繋がれている、という寓話を聞いたことがある人も多いと思う。
鎖につながれた象2

そんなわけね~だろ!
って思うけどまあ例え話として面白いじゃないか。

僕が仕事を辞めてダイビングショップに弟子入りしたのは96年の暮れのこと。
当時から福岡のダイビングポイントと言えば志賀島と恋の浦と二見浦。
全部ビーチポイントで、みんな路駐して(当時は色々緩かった)クルマの陰で着替えて潜ってその辺の茂みでトイレして~なんてのが当たり前の世界。

当時から新人のくせに生意気だった僕は周りのショップの先輩たちに、

「福岡でボートダイブとかできんのですかね~。」

なんて話をしていたが、
その途端、先輩たちはまるで「あそこは底なし沼だから」って言ってたばあちゃんのように声を潜めて、

「とんでもね~話だ。いいか、沖は怖いぞ。潮は速いし漁師は怖いし。」
「無理無理。漁師に囲まれてどっか連れていかれるぞ。」

僕は新人の頃からそういうエリアで育ってきた。
さっきの象の話と一緒だ。
行っちゃいけないという刷り込みが、どれほど福岡のダイビングシーンを狭く閉鎖的なものにしてきたことだろう。

枕崎で3年間、毎週のように硫黄島で潜る、という幸せなガイド生活に区切りをつけて福岡に戻ってきたのが2005年。
3年でチーム潜達人を作り上げ、憧れの海、トカラ列島への遠征を始めた。
しかし目の前に広がる玄界灘は相変わらず手付かずのままだった。

そうして迎えた2011年、新たな冒険のきっかけは唐突に訪れた。

「木村さん、昨日釣りで外洋出てきたけど潜ったら面白そうなとこいっぱいありますよ。」

興奮した様子で僕を訪ねてきたのはSTINGRAY船長の松本圭司。

釣りとダイビングにハマりすぎて小型ボート(初代STINGRAY)を手に入れた彼は、毎週のように玄界灘に繰り出していたのだ。

そして次の休日。
2011年、10月13日。

小さな船に釣竿とダイビング器材を積み込んで、僕らの新しい冒険は幕を開けた。

P1070242_2019030720312302e.jpg


広い海に浮かぶ木の葉のようなボート。
一人ポツンと水面に浮かんだ僕は、圧倒的な玄界灘のスケールを全身で感じてからゆっくり潜降した。

深い。
そして青い。
ソフトコーラルに覆われた色鮮やかな岩がどこまでも続く。
サクラダイやキンギョハナダイが優雅に舞う。
突然現れる見たこともないくらい大きなクエ。
玄界灘の王様はその巨体を見せつけるかのように岩の上でホバリングしている。
僕は息を飲む。
王様はじっとこっちを見つめたのち、巨体を翻して去っていく。
一瞬の迎合。

浮上した僕に船長と釣り人達が手を振る。
僕も手を振り返す。

「まったく、すごい海だぞ!」

この1本のダイビングが僕と松本船長のDiscovery Cruiseの始まりだった。


2014年9月6日。

2代目STINGRAYで僕らはついに沖ノ島へ到達した。
魚探で探って面白そうな地形を見つけて、ってする必要がないくらい透明度高い海に度肝を抜かれた。

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2016年7月13日、現在のSTINGRAYがデビュー。
STINGRAYデビュー!

松本船長と居酒屋で酔っ払って書いた理想のダイビングボートのスケッチそのままの船。
この船の登場で僕らの冒険の版図は飛躍的に広がった。

そして今も、終わることのない冒険を続けている。

あの頃の僕に見せてあげたい。
福岡の海は素晴らしいぜ!って。


あ、そうそう。
ドキドキしながら潜ったあの底なし沼。
実際はジャックナイフで潜ろうとした瞬間頭が泥に突き刺さるほどの水深だった、、、(^o^)

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玄界灘Discovery Cruise
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